- コンテストの趣旨
- 「茨城の魅力を探究し発信する高校生コンテスト」通称「いばたん」は、高校生と大学生の教育と地域貢献を目的としたプロジェクトで、2019年から始まり2024年の今年で6年目を迎えます。茨城県は都道府県のブランド力を評価する都道府県魅力度ランキングで、再び最下位に位置付けられているところですが、それよりも本県が愛着度ランキングで下位に位置している点、見過ごせないものがあります。
現在、日本は過去に前例・先例のない人口急減・少子高齢化社会を迎えつつあり、茨城県も例外ではありません。多くの若者が高校卒業後、就職や進学を機に、県外に流出しています。仮に都内で出身の茨城県のことをたずねられた際、「茨城は何もない」「茨城のことを知らない」と答えるよりも、「雄弁に茨城の魅力を語ってほしい」「若者は地域を語れる存在であってほしい」との想いから「いばたん」がスタートしました。地域や日本を支える次世代のリーダーとなる若者を支える若者の郷土愛をはぐくむ後押しをすることが「いばたん」の目的となっております。
高校生は動画制作を通じて自分の住んでいるまちや地域の魅力を発見し、茨城の魅力を世界に向けて発信することをお願いしています。高校生の作品はYouTubeやいばキラTV
、駅構内のデジタルサイネージなどさまざまな媒体で発信していくとともに、年度末に行われる本選をTOHOシネマズにて映画祭として開催する予定です。高校生にとっては、ローカルとグローバルを融合させたグローカルという視点で、地域資源を発見・深堀りし、効果的なプレゼンを考え学ぶ機会ともなるものと思われます。「いばたん」は、茨城県内の高校、茨城県、市町村、民間企業や団体などオール茨城で、若者を応援することを目指すプロジェクトとなります。
また、本コンテストは大学生が主体的に企画運営しており、携わる学生にとって大きな教育効果があり、公的機関や民間企業から高い評価をいただいております。
- これまでのいばたん
- 2019年の開始から現在まで参加者数・エントリー数が増加しております。2022年度より必修化された探究授業として学年単位でいばたんに参加されている高校もあります。またいばたんは高校と自治体が連携し地域の魅力探究や課題研究の場としても活用されてもいます。
参考)2019年:参加者数515名、応募作品数115作品
2023年:参加者数1086名、応募作品数306作品
ここ数年、コロナ禍の影響もあり、プロジェクトの実施自体、危ぶまれましたが、大学生が主体的に高校説明会やホームページ管理、広報、予備審査等の企画・運営を行い、高校の希望に応じて進学説明会も実施してまいりました。さらに、地域の課題発見と解決のためのワークショップを中学・高校生向けに行っております。これは先の述べた2022年4月から必修化される授業科目「探究」に対応するものです。
コロナ禍の影響により、高校生は高校でしか経験できない様々なことが制限され、また大学生も同様の状況にありました。去る2022年3月21日、高校生に夢を与えるべく、高校生に、レッドカーペットを歩き、自身の労作を大スクリーンそして迫力ある音響設備の下で上映する機会を提供する目的で、TOHOシネマズ水戸内原にて映画祭を行うことにいたしました。実施に当たり乗り越えなければならない多くの障害がありましたが、コロナ禍のさなか、高校生に夢のひと時を提供したいという目的のもと、多くの方のご支援のお陰もあり、無事に映画祭を終え、2024年2月も盛況のうちに幕を閉じることができました。
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- これからのいばたん
- 本コンテストは、本年度からいばたん実行委員会と自治体との共催で行います。
その背景として、
① 大学生への教育効果が高く貴重な社会貢献活動が期待される本コンテストにつき、他大学の教員から学生に参加させたいとの要望が寄せられているところであり、他の大学の学生にも企画運営の機会を提供したい。
② 茨城県内の市町村から、本コンテストのような大きなイベントを様々な主体が関わり企画運営する実例を目の当たりにする中、いばたんに職員研修もかねて企画運営に参画させてほしい、またいばたんを通じた若者(高校生や大学生)との接点は行政に若者の意見を反映させるにあたってよい機会ととらえており、若者との協働や支援の枠組みとして利活用したい。
③ 人生100年時代、これまでの従来のライフプランの学ぶ、働く、引退するという3つのライフステージとは異なり、常に学び続け情報や能力のアップデートが求められる。また超高齢化、深刻な労働力不足、若者の負担増大、社会インフラ老朽化、医療や介護の逼迫などが表面化する2040年問題に対し、組織や地域運営(まちづくり・コミュニティ)は持続可能(サステイナブル)か。あるいは若い人に選ばれる地域なのか。
以上の声に応えるべく、2023年からは任意団体のいばたん実行委員会を立ち上げ、自治体とともにいばたんを実施しております。またこれまで後援いただいてきた茨城県、県議会、県教育委員会も変わらぬご支援をいただく予定です。
- いばたんの主要な活動
- いばたんを通じた他業種・多世代交流によって、以下の事業を行うことを予定しております。
1)動画による地域の魅力発信
2)若者支援モデルの検討
3)生涯学習の支援
4)地域活性化モデルの構築
5)上述の事業を動かすデジタル技術の利活用
- 今後の予定
- 県内のすべての高校生を対象に、2024年5月10日から2025年1月17日にかけて作品を募集し、2025年2月15日にTOHOシネマズ水戸内原にて、参加する高校生や関係者を招き映画祭を実施します。